さるうま!!!

馬券と一口馬主とPOGを頑張ってるおっさんのブログです。

「第4回アフターダービーPOG 」の指名馬10頭を簡単に紹介いたします。参加者の皆様、そして主催者のZORAさん、よろしくお願いいたします。

このPOGは、「現3歳の3勝クラス以下馬を指名し、日本ダービー翌週から翌年の宝塚記念までどれだけ稼ぐか」を競う、一般的なPOGとは一線を画すもの。私は第1回から参加させてもらっていますが、だんだんと参加者の皆様の指名精度が高まっており、ハイレベルな戦いが繰り広げられております。

ちなみに、今季私が参加するPOGはこれだけとなりそうです。最近は自分が入会しているクラブの募集馬以外を考える余裕がなくて……、あ、ひと狩り行かなきゃいいのか(・∀・)





ジョイエッロ(牡)
父:ドゥラメンテ
母:ノーブルカリナン
クラス:1勝クラス

期間が来年の宝塚記念までということで、菊花賞→有馬記念→天皇賞(春)を歩めそうな中長距離馬を指名できた方が強いのがこのPOGの特徴。昨季(まだ続いているけど)はヘデントールを指名した参加者が上位を占めていますからね。

ということで、ドゥラメンテ×ディープインパクトに母方のGone WestやMonsunやDashing Bladeで持続力と底力をマシマシにした本馬に期待。出資者の方いわく「牧場で見学したときにマイラーといわれた」そうですが、サトノダイヤモンドだってデビュー前はマイラーという評価でしたから……。



ブラックジェダイト(牡)
父:キタサンブラック
母:ウェルアウェイ
クラス:1勝クラス

菊花賞向きということでもう1頭、こちらもMonsunのスタミナ、持続力が良く出た馬を指名。私はYGGオーナーズクラブの会員でもありますが、配合レビューで「スピードの血が足りない」と書いて出資を見送ったら、新馬戦を勝利されて激しく後悔した記憶が(/ω\)

父の父ブラックタイド(=ディープインパクト)が持つAlzaoと、本馬の牝祖リリズムがニアリーで、これはサトノグランツやオールパルフェなどが出た組み合わせ。函館か福島の芝1800で復帰予定とのことですが、個人的にはもっと長丁場での走りを見てみたい。



メイリー(牝)
父:タワーオブロンドン
母:レイロー
クラス:1勝クラス

ここまでXのフォロワーさんの出資馬を頼ってきた(このあともバリバリ頼ってますw)ので、1頭くらいは自分の出資馬も。とはいえ残念ながら現時点で未勝利馬ばかりなので、先週勝ち上がったこの仔くらいしか選択肢がないのよね……。未勝利馬も指名できるけど明らかにハイリスクだし。

ただ、この仔も全体的に重厚な血が多く成長力はあるはず、つまり晩成型の活躍を楽しむこのPOG向きと見込んでいます。このあとは一休みして8月末の新潟を目途に復帰予定、一回り二回り馬体を成長させてヴィクトリアマイル路線へ乗ってくれれば。



レッドバンデ(牡)
父:キズナ
母:フィオドラ
クラス:1勝クラス

青葉賞で出遅れながらジワジワと伸びてきて、直線いったんは先頭に立ったもののエネルジコほかの外差しに屈して4着敗退。日本ダービー出走への道は絶たれましたが、重賞でも見劣らない素質の高さを見せています。

父キズナ×母欧州血統という最近の流行配合(キズナは母方が米血主体なので理にかなっている)で、Mill Reef的重厚な末脚は距離がさらに延びても輝きそう。つまり、これも菊花賞狙いの指名。7日の東京9R稲城特別に出走予定。



カラヴァジェスティ(牡)
父:カラヴァッジオ
母:トナフトゥ
クラス:2勝クラス

このPOGは未勝利馬2.5倍や1勝クラス馬1.5倍のボーナスが付きますが、過去の大会ではボーナスが付かない2〜3勝クラス馬からポイントリーダーが出ていたし、自分の指名馬の傾向も同様でした。今季はボーナスポイントに目もくれず、このクラスを手広く押さえる戦略で。

レッドバンデの次のレース(由比ヶ浜特別)に出走予定のカラヴァジェスティは、両親を通じて“Eight Thirty≒War Relic”や“War AdmiralとLa Troienneの組み合わせ”を綿密にクロスさせた配合が特徴。毎レース出遅れていますが、1400以下の2戦は強い競馬で勝っており、目指せ高松宮記念。



トレサフィール(牡)
父:サトノダイヤモンド
母:トレサンセール
クラス:2勝クラス

この馬もYGGの非出資馬からのチョイス。本馬や半姉で私の出資馬トレブランシュ以外にも、デビューした産駒は全て複数勝利を挙げており、Allegretta4×4を持つ母トレサンセールの優秀さが伺えます。

配合レビューでは母が持つForliの二面性に着目し、男の子だから重厚な中長距離馬だと書きましたが、少なくともしぶとさを活かすタイプなのは間違いないところ。次走ラジオNIKKEI賞は試金石の一戦。



メイショウズイウン(牡)
父:ホッコータルマエ
母:アクアブルーハート
クラス:2勝クラス

前走ユニコーンSではカナルビーグル、クレーキングというノーザンF産の強豪相手に差のない3着。スタートで躓くロスがなければという内容で、ハイレベルな3歳ダート路線の中でも上位の存在。

ホッコータルマエ×エンパイアメーカーでUnbridledとトライマイベスト=El Gran Senorのクロスだから、ダート馬としてもかなりパワーに振った配合で、急坂コースや時計の掛かる馬場向きかな。7日の加古川特別をステップに、秋の大舞台へ歩を進めたい。



メモリアカフェ(牝)
父:ナダル
母:ルミエールカフェ
クラス:2勝クラス

現3歳のダート路線はナダル産駒の活躍なくしては語れませんでした。そんなナダル産駒の中から、本馬は父ナダルと母の母ファンシーカフェが色々と脈絡し合う一方、母の父マンハッタンカフェのところだけ見事に4分の1異系となっている好配合。

次走は関東オークスに出走を予定しているとのこと。去年の勝ち馬アンデスビエントに続き、指名馬で連勝といきたいところ。



ナムラクララ(牝)
父:アドマイヤマーズ
母:サンクイーン2
クラス:3勝クラス

新種牡馬アドマイヤマーズは、フィリーサイアーMachiavellianの血を持つので自身もフィリーサイアーになるのではと予想されていましたが、初年度から桜花賞馬エンブロイダリーを輩出し、本馬を含めJRAで複数勝利を挙げた馬は今のところ全て牝馬と、想像以上のフィリーサイアーっぷりを見せています。

父がディープインパクト系の半姉ナムラクレアほど鋭敏でしなやかな身のこなしではありませんが、ダイワメジャー系らしく時計の掛かる馬場や急坂に負けないパワー兼備のマイラー。実際、中京芝1400で2勝しているし、ここからの成長次第では姉より先に高松宮記念制覇なんてことも?



リンクスティップ(牝)
父:キタサンブラック
母:ダンスウィズキトゥン
クラス:3勝クラス

桜花賞3着、オークス5着、そしてサトノシャイニング(日本ダービー4着)が勝ったきさらぎ賞でも2着(4着は後のダービー3着馬ショウヘイ)と、明らかに同世代の牝馬同士では最上位に位置している馬ですが、収得賞金は1200万円ですから指名できちゃうんですよねぇ。

両親ともNorthern Dancer系の血のクロスが濃い馬同士ではありますが、代々Sir Ivor的な血を重ねているところや、Burghclere≒Height of Fashionで底力もしっかり補強しているところは好感。秋華賞、そしてエリザベス女王杯でG1制覇へ。

昨日は雷雨だった東京競馬場も今日は晴れて良馬場に回復し、同コースの青嵐賞(2勝C)で2分23秒8の決着。超高速馬場ではないにせよ、昨日までのイメージは引きずらないほうがいいのかなと。





東京11R 日本ダービー【G1】

◎(6)ファンダム
△(13)クロワデュノール
△(17)マスカレードボール

買い目:3連単(6)1着固定→(13)(17)


昨日までの馬場なら△を付けた2頭のどちらか、特にクロワデュノールを本命視しようかなと考えていましたが、この馬場なら巧拙を気にせず“ハッとする脚”を使ったことのある馬、誰が見ても「あ、この馬強いわ」と思わせるような説得力のあるレースをした馬を買いたい。

ファンダムは、前走の毎日杯で見せた上がり3F32.5秒の脚が見た目にも数字的にも強烈で、末脚の爆発力とかマイル戦でも対応してしまうあたりが、個人的にはドウデュースを思わせる存在。

今朝Xで“シーザリオ牝系の種牡馬はWild Againと相性がいい”という投稿をリポストしましたが、これシーザリオの4代母Piaが、Wild Againの母Bushel-n-Peckとニアリーに近い(Hyperion、Dante、Mahmoudが共通)のが理由かなと。

まあそんな細かいところはさておき、Northern Dancer過多なサートゥルナーリアにNorthern Dancerクロスを持たない母の組み合わせで、キンカメ系とハーツクライのニックス配合という点だけでも十分に好配合。ベストは2000でしょうが、2000ベストの馬が天賦の才を爆発させて勝つのが現代の日本ダービーというレース。


クロワデュノールは“母の父がSir Ivor持ちマイラー”“父キタサンブラックのPretty Polly=Mirandaを増幅”という配合がイクイノックスを思い起こさせて、だからこそイクイノックスの日本ダービーのように惜しくも……という結果も想像しやすく。馬場が渋っていれば先行押し切り策のアシストになったかなぁと思ったのですが。

マスカレードボールはストライドの大きい走りなので、中山内回りから東京へ替わるのは大きなプラス。ただ母方のホワイトマズルのしぶとさが良くも悪くも出ている感じで、皐月賞のレースぶりが父ドゥラメンテに似ていても父ほど爆発できない理由なのかも。共同通信杯のように前で運びたい。


皐月賞勝ち馬ミュージアムマイルは、母がマイラーのリオンディーズ産駒。ファンダムと同じくキンカメとハーツクライのニックス持ちですが、母の母が持つVice Regent≒ノーザンテーストの影響も強い感じで、いかにも速い時計の皐月賞が合うタイプだったのかなと。速い時計で決着した皐月賞って日本ダービーに繋がらないんですよね。





東京12R 目黒記念【G2】

◎(13)マキシ

買い目:単勝複勝(13) 複勝多め


種牡馬レイデオロはBuckpasser由来の体質を伝えやすいようで、なので東京でしなやかに斬れる産駒は少なく、アドマイヤテラも東京コースでスパッと斬れるような馬ではないかと。

ワラウカド民としてはスティンガーグラスにも注目するべきなのでしょうが、言い方悪いけど東京コースならヴィレムが勝てる馬なんですよ。つまりこの馬も東京より中山のようなしぶとさが活かせるコースがベター。


マキシは、母がSir Gaylord≒Secretariatを持ちエリザベス女王杯を制したラキシスで、そこにエピファネイアを配された自身はSir GaylordとNijinskyのクロス。配合通りにナスキロ柔さとNijinsky胴長で走る馬で東京コースは[1-0-1-0]、芝2200以上では[4-0-0-2]で、着外は京都新聞杯4着と小回りコースの日経賞。

大箱コースの長丁場ならオッズほど差はないと見ており、前記スティンガーグラスと比べるとハンデも0.5kgもらった格好で、巻き返しに期待。

久々の馬券予想記事です。大きなレースのときくらいはと思いまして、たぶん来週の日本ダービーでもブログで書くんじゃないかな。





京都11R 都大路S【L】

◎(12)トランキリテ
☆(15)スウィープフィート

買い目:単勝(12)、ワイド(12)‐(15)


京都芝外回りで行われた5R(芝2200)が人気通りとはいえ、スワーヴリチャード産駒がディープインパクト系種牡馬の産駒たちを抑えて勝利するという結果だったので、やはり重い馬場の影響はありそう。

なら同じくスワーヴリチャード産駒のスウィープフィートでいいのかもしれませんが、いつもいい脚使いながら差し届かずというレースをしているルーラーシップ産駒トランキリテが、先行馬の多いメンバー構成も味方して今回は前まで届くという結果に一票。





東京11R オークス【G1】

◎(6)ビップデイジー

買い目:単勝複勝(6) 複勝多め


過去5年のオークスはすべてMill Reef持ちが勝っていて、まあそのうち4頭がキングカメハメハ経由なのですが(例外はユーバーレーベン、4代母の父がMill Reef)、なぜキングカメハメハがこうも強いのかってことを考えるべきで。

キンカメはMill ReefとNureyevとHornbeamを併せ持ちナスペリオン色が強く、もちろんオークスは最後の直線が長い東京芝コースが舞台ですから、つまりナスペリオンの持続力ある末脚が輝くのがオークスというレースなのだと。


で、今年の出走馬で一番ナスペリオンが強い馬はどれだろうと考えたときに、桜花賞でも◎にしたビップデイジーではないかと。母ローズベリルがキングカメハメハにChief's Crownでナスペリオンが強い構成。牝祖がキャサリーンパーで父がサトノダイヤモンドだから距離延長もプラス。

今年に入ってからマイルで前に行く競馬をしていますが、中距離馬だからマイルで急かしても結果が出ないのは仕方ないところ。桜花賞上位3頭は強いでしょうが、2歳時みたいに溜めて末脚に賭ける競馬をできれば、アルマヴェローチェとの比較からも差はないはず。

先日、YGGオーナーズクラブとしては初となるトレーニングセール購入馬の募集が発表されました。しかも「OBSトレーニングセールで馬買ったやで」→数日後「1歳1次募集のラインナップ発表するで」→さらに数日後「JRAブリーズアップセールでも馬買ったやで」という怒涛の展開。我々会員はてんやわんやに(^_^;)

まあ、私としてはサボってたブログへちょうどいいネタを提供していただいたなと……。今年は1歳1次募集の開始も早いようですが、まずは日米トレーニングセールで仕入れた2歳馬2頭の配合レビューをまとめましたので、ご一読くだされば幸いです。





Voodoo Economics2023(牝)
父:Practical Joke
厩舎:吉村圭司(栗東)
募集総額:1440万円


母Voodoo Economicsは未出走のようですが、半兄Reinvestment Riskはダート7~8FのG1を2着4回という実績。父Practical Jokeは北米リーディングサイアーInto Mischiefの後継種牡馬で、現役時代は7~8FのG1を3勝、母の父Strong Mandateも米ホープフルS(ダート7F)の勝ち馬ですから、マイラー血統を凝縮させた感じの構成。

本馬のポイントは、まずこのStrong Mandate(Tiznow×Deputy Minister)をPractical Joke、ひいてはInto Mischiefに合わせた点。Into Mischiefは牝祖PatelinがEight Thirty≒War Relic3×3・4など強力な父母相似配合で、このPatelinを祖とする種牡馬はナダルにせよアイルハヴアナザーにせよ、いずれもこのEight Thirty≒War Relicを生かした配合で成功。

Patelin 001

Eight Thirty 001

War Relic 001


メルキオル 001

ウインマーベル 001

そしてPractical Jokeも、海外での代表産駒はこのニアリークロスを継続させた配合となってます。本馬の場合、Tiznowは父系のIn RealityがWar Relic3×3、Deputy Ministerは牝祖Good ExampleがWar RelicやEight Thirtyとニアリーと、上記に則った配合ですね(Voodoo Economicsの母方の奥にもEight Thirtyが存在)。

Richi 001
↑アルベルトSマグナスコ大賞(チリG1)など

Good Example 001


もう一つポイントを挙げるなら、やはり“Pretty Polly=Miranda”の増幅でしょう。Into Mischiefが持つHonest Pleasureと、本馬が母方に持つSharpen UpやCandy Girl(Candy Rideの母)を通じて、Stafaralla=Sind(母の母Miranda)を多重にクロスさせたのが面白いところ。

Honest Pleasure 001

Sharpen Up 001

Candy Girl 001

このHonest Pleasureという血はキタサンブラック(ジャパンCほか)も持っていまして、キタサンブラックの場合はBustedやWordenを通じてPretty Polly=Mirandaを増幅。さらにそのキタサンブラックに、トニービンやLe Fabuleuxを合わせて更にマシマシにしたのがイクイノックス(ジャパンCほか)と、この血が大舞台で輝くために不可欠であることは理解していただけるかと。

キタサンブラック 001


最初に触れたようにマイラー×マイラーみたいな形になっているところや、父も母も自身も濃いクロスを持たない点は、配合論の考え方に基づくとマイナスではありますが、細かいポイントは押さえた配合になっていると思います。芝ダート兼用の俊敏マイラーで、ダートなら軽い馬場がベター。





ティノ2023(牡)
父:アルアイン
厩舎:伊坂重信(美浦)
募集総額:960万円


母ティノは未勝利で引退も、Attica(Sir Ivorの母)を祖とする牝系からはエアジハード(安田記念など)やシャダイアイバー(優駿牝馬)などが出ています。父アルアインは現役時代に皐月賞と大阪杯を勝ったディープインパクト系種牡馬で、全弟にシャフリヤール(日本ダービー)、その母ドバイマジェスティは米BCフィリー&メアスプリント勝ち馬。

本馬は、サンデーサイレンスやLyphard、His Majestyなどをクロスする父母相似配合になっているのですが、中でもドバイマジェスティとプレイメイト(Woodmanの母)を通じて“War AdmiralとLa Troienne”の組み合わせでできた血を多重クロスさせているのがポイント。

Buckpasserの母Busandaがその代表例ですが、要はアメリカンなパワーがオンになりやすい血の組み合わせ。ドバイマジェスティはこの“War AdmiralとLa Troienne”パワーで短距離を走ったし、息子のアルアインもこのパワーを受けた体質なので中山や阪神内回りに強かった(シャフリヤールは父ディープインパクト寄りの体質)。

My Charmer 001
↑ドバイマジェスティの4代父Seattle Slewの母

Great Above 001
↑ドバイマジェスティの母の父

プレイメイト 001


それに加えて、Voodoo Economics2023のところでも触れた“War Relic≒Eight Thirty”も累進している(Great AboveのWar Relicと、フジキセキのEight Thirty≒War Relic)ので、かなりパワーに振った配合ですね。父親がディープインパクト系ではあるもののダート向きの短距離馬という印象。


ただ、アルアインのような「Storm Catを持たないディープインパクト系種牡馬」は、母方にStorm Catを持ってくるか、Sir Ivorをいじる配合が成功するというのがありまして。ディープインパクトとStorm CatのニックスはSir Ivor≒Terlingua(Storm Catの母)が根拠で、すなわちディープインパクト系種牡馬はSir Ivorをいじるのが正義なのです。

一応アルアイン自身Sir Ivor≒Weekend Surprise(A.P. Indyの母)ではありますが、それでもコスモキュランダのようにHaloをクロスさせたり、クールベイビーのようにSecrettameを合わせてSir ivorをいじる配合が成功。本馬は上で書いたように牝祖がAttica、つまりSir Ivorの母の血を薄くクロスしているものの、これをもってSir Ivorをいじると言っていいのかどうなのか……。

[バックナンバー]

第1回:エフフォーリア編

第2回:サリオス編

第3回:ホットロッドチャーリー編





この新種牡馬考察の記事は、基本的に「競走馬出資を嗜む皆様(要は、いわゆる一口馬主の方々)」に向けての記事なので、チュウワウィザードのような、日高の生産馬ばかりのためクラブで募集がかかるか読めない種牡馬って取り上げにくいんですよねぇ。

今回取り上げるウィルテイクチャージもダーレー・ジャパンの供用馬なので、産駒がクラブに来るかどうかは難しいところなんですが……。私が入会しているとあるクラブがですね、代表を勤めている方の関係かダーレー色が濃くなってきたんで、何かと縁がありそうなんですよね……。すいません、個人的な理由で(^w^)





ウィルテイクチャージ 001

クラシックは無冠に終わったものの“真夏のダービー”ことトラヴァーズSでG1初制覇を果たしたウィルテイクチャージは、秋にBCクラシックでも2着(勝ち馬Mucho Macho Man、3着デクラレーションオブウォー、6着パレスマリス)に入りエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出。現役引退後は米国で種牡馬入りしたのち、一昨年からダーレー・ジャパンにて繋養されています。



Unbridled's Song晩年の傑作で、この血と日本競馬との相性の良さが導入のきっかけになったことは想像に難くありませんが、すでに米国時代の産駒が何頭か輸入されて走っており、JRAで勝ち上がった4頭中3頭が、母方にSir Ivorを持つことは特筆すべきかと。

Love Ava Love 001

Dreamy Blues 001

Sir Ivorといえばディープインパクトの母の父Alzaoの母の父として知られており、ディープインパクトのしなやか柔い体質の根源と言える血。そしてディープインパクトとUnbridled's Songの有名なニックスは、Unbridled's Songの3代母IncantationとSir Ivorがニアリーであることが根拠。

Incantation 001

Sir Ivor 001

┌Blenheim
Mahmoud
└△
 └Mumtaz Mahal

┌Blenheim
Mumtaz Begum
└Mumtaz Mahal

となれば、Unbridled's Songの後継たるウィルテイクチャージも、まずは母方からSir Ivorもしくはそれに準ずる血を合わせたいところ。上の動画からは、ウィルテイクチャージ自身も体質の柔さを感じさせ、ディープインパクト肌から芝で走る仔も出てくるのではないかと思わせます。


もちろん基本的には、自身の現役時代と同じくダート中距離向きの種牡馬でしょうから、そのダート適性をより高める配合、War Relicのニアリークロスの継続や、「War AdmiralとLa Troienne」血脈を合わせるのもいい。母の母の父がRubianoなので、Tapit牝駒を持ってきてRubiano≒Tap Your Heelsとするのも面白そう。

あとは、ハーツクライを持って来て擬似スワーヴリチャードを目指すのもあり。Unbridled's Songの母の母の父Lucky MelがHyperionとRoyal Charger(Nasrullahと4分の3同血)で、トニービンのナスペリオンと呼応するのです。だからドゥラメンテやルーラーシップでもいいのですが、いずれにせよ母の母にスピードの血を入れるのを忘れずに。

Lucky Mel 001

┌Nearco
Nasrullah
└Mumtaz Begum

あと、将来的には名ブルードメアサイアーになれる資質を感じる馬でもあります。デヒア(母の父Secretariat)産駒の母Take Charge LuckyはG1を3勝し、きょうだいや近親にもG1馬が出ている牝系、何より父Unbridled's Song自体が母方に入って優秀な血。もし母優のあるクラブにウィルテイクチャージ牝駒が来るようなら、一考の価値あり。

最後になりましたが、本馬はFapianoの3×4という濃いクロスを持つので、まずは濃いクロスを持たない繁殖を合わせるのが基本。上記した通り中距離向きということは、母方よりスピードを取り入れるのも肝要。本来はSir Ivorうんぬんより、こちらを意識することが血統論配合論的には大事なんですけどね(^_^;)





☆ポイントまとめ

・濃いクロスを持つ中距離血統、母には濃いクロスを持たないスピード馬が合う

・Sir IvorをはじめとしてUnbridled's Songを活かせる血を合わせたい

・将来的には優秀な母の父となりそう





★募集されたら激アツ?な好配合馬


パラダイスレーンの2024(牝)

冒頭で書いた“私が入会しているとあるクラブ”で募集されそうな馬をピックアップ。この牧場のウィルテイクチャージ産駒はやっぱり多いのですが、この馬は母のNorthern Dancerクロスがやや濃いものの、Welsh Flameを祖とする牝系(Marjuとかドゥレッツァとかステラリードとか活躍馬多数)が魅力的。

本馬の母の父アメリカンペイトリオットは「母方にIncantationを持ち、自身はMoon Glitter=Relaunch(その父In Reality)で、マイルG1を勝ったWar Front(母の父Rubiano)産駒」なので、ウィルテイクチャージとは色々とフックしあって面白い組み合わせ。


ニーズヘッグの2024(牝)

私、冒頭で触れたクラブ以外にもう一つ別のクラブにも入会してまして、そちらで募集されそうなゆかりの血統馬からも1頭。同クラブ所有馬だった母は3勝Cまで勝ち上がったのち地方に移籍し、交流重賞にも出走した活躍馬。この仔が初仔ですね。

本馬も母の父がマイラー血統のヘニーヒューズであること、そして母方にダンシングブレーヴを持つことがポイント。ダンシングブレーヴの母の父DroneはSir GaylordとTom Fool(Pharamond、Bull Dog〔=Sir Gallahad〕、AlcibiadesがSir Ivorの母Atticaと共通)だから、Sir Ivorと非常に血統構成が似ており、もちろんIncantationともニアリー。

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