ワラウカドの募集馬見学ツアーに今年初めて参加します、9月1日のAコースです、ご一緒の方々宜しくお願いいたします(´∀`*)


さて、お待たせいたしました?今年度の募集馬7頭の配合考察(というほど偉そうなものじゃありませんが……)です。

父方も母方も血統的に偏りが見られるのは確かですが、1頭1頭、配合の意図みたいなものを探っていきたいと思います。



アップワードスパイラルの2018(牡)
父:キズナ


Teofilo産駒の母はデインヒル≒Green Desert3×3、チェヴァリーパークS(英G1、芝6ハロン)で4着の実績があり、デインヒル的なスピードとパワーを持った馬と推測されます(Teofiloも7ハロンのG1を勝った馬でした)。

父キズナは、早速重賞馬を輩出するなど好調な滑り出しとなりましたが、7月21日までの勝ち馬4頭の母父を見ると、サクラバクシンオー、ロックオブジブラルタル、Smart Strike、トウカイテイオー。

新馬戦で2着になった2頭も母父がクロフネ、フレンチデピュティですから、早期に活躍している馬は、母方からスピードやパワーを補強した馬が目立ちます、この馬も母方の特色を引き継いでいれば、早期の活躍も期待できるのではないでしょうか。


細かい話をすると、母父Teofiloは欧州で猛威を振るう「ガリンヒル(Galileoとデインヒルの組合せ)配合」ですが、この組合せの相性の良さは、Buckpasser~Tom Foolのクロスが成り立つことと、「AcropolisとFlower Bowlの脈絡」、この二つが根拠と思われます。

キズナは母方の奥にAcropolisを持ち、母父Storm CatがTom Foolとニアリーな血(First Rose)を持つので、上記のニックスを継続させた形になりますね。

ちなみに「GalileoとデインヒルとStorm Cat」という組合せからは、安田記念勝ち馬モズアスコットや今年の英ダービー馬Anthony Van Dyckが出ています。



カメリアローズ2の2018(牡)
父:キズナ


母は現役時代に仏で2勝、米サンタアニタロデオドライブS(牝馬限定・芝10ハロン)で4着の実績を持つ馬、母父父デインヒル、母母父Galileo、そこにキズナを配したので、上記アップワードスパイラルの2018と大まかな配合のコンセプトは一緒ですね。

ただ、こちらは母も母父も中距離馬だったことと、母方にAureole、ハイハット、Alycidonと「AcropolisとFlower Bowlの脈絡」を継続させる血を多く持っていること、これらの理由から、より重厚な中長距離馬に出るのではないかと推測。

この2頭の細かい違いがどう出たかは、ツアーで実際に馬を見て判断したいところです。



セルフプリザヴェーションの2018(牝)
父:キズナ


母は米デルマーデピュタントSで2着などの実績、半兄(厳密には8分の5同血)に重賞でも活躍したシャルドネゴールド(父ステイゴールド)、半姉は2017年産まれの募集馬で1番人気だったセルフィー(父スクリーンヒーロー)という、ワラウカド民にはお馴染みの血統。

この仔もキズナ産駒ですが、上記2頭とはだいぶ配合のコンセプトは異なっていて、やはりポイントとなるのはStorm Catの3×4でしょう。

先日、函館2歳Sを制したビアンフェ(母ルシュクル)は、4分の3姉ブランボヌール(父ディープインパクト)が同じく函館2歳Sを制したように母方の影響が強い馬ではありますが、配合的に見るとStorm Catを増幅させた配合とも見て取れます。

Storm Catは「Storm BirdとSecretariat(Nasrullah+Princequillo)とFirst Rose(≒Tom Fool)」の組合せですが、サクラバクシンオーが持つノーザンテーストはStorm Birdとニアリー、アジアンミーティアは薄くTom Foolを持ち、その母Trolley Songは「Nasrullah+Princequillo」。

ビアンフェに近い、Storm Cat的短めマイラーに出るんじゃないかな?



デザートオブライフの2018(牡)
父:ディープブリランテ


母はドイツのG3ツークンフツレネンを優勝、その父Mastercraftsmanもマイル前後で活躍した馬、そんな母に配されたのは、ワラウカドの母体・パカパカファームが産んだ第79代日本ダービー馬ディープブリランテ、この仔が初仔となります。

種牡馬ディープブリランテは、セダブリランテスのような重厚な中距離馬も出ていますが、堅実に活躍を見せているのが母方からスピードを取り入れた馬、この馬の場合は「母父がデインヒル系のマイラー」「母方にSharpen Upを持っている」という点で、ミッキーブリランテ(シンザン記念3着)と共通点のある配合となってます。

Alzaoを増幅させているというところも一緒と言っていいかな、重厚な長めマイラーに出そう。



ナンシーフロムナイロビの2018(牝)
父:スクリーンヒーロー


母は米ロイヤルヒロインS(G2・芝8ハロン)の勝ち馬ですが、戦績を見ると12ハロンのレースでも好走していたりしますね、その父Sixties IconはGalileo産駒の中長距離馬でした、この仔が初仔。

スクリーンヒーローの代表産駒といえば、もちろんモーリスなのですが、この馬とは「母方にSadler's WellsとNever Bendを持つ」という点が同じです、Sadler's Wellsの母父Bold ReasonはNever Bendとニアリーな血ですが、この両者がスクリーンヒーローの牝祖マジックゴディスと脈絡するのです。

さらに、この馬は母方にWoodmanを持っていますが、Woodmanの牝祖Glamourがやはりマジックゴディスと脈絡、さらにさらに、母がMiswakiとWoodmanを通じたTom Foolのクロスを持ち、父の3代母モデルスポートが持つTom Fool≒Spring Runのクロスを継続。

簡単に言えばスクリーンヒーローのツボをしっかりと押さえた配合ということになりますね、これが牡馬だったら満点回答だったんですが……(スクリーンヒーロー産駒の活躍馬はRoberto系らしくほとんど牡馬)。



ボカイウヴァの2018(牡)
父:モーリス


母はフランスのリステッド競走・シャルルラフィット賞の勝ち馬、現2歳にスクリーンヒーロー産駒の兄(マテンロウヒーロー)がいるので、この仔とは4分の3同血の間柄。

Silver HawkとSadler's Wellsのクロスを併せ持つ、という点で凱旋門賞連覇の名牝Enableを彷彿とさせますが、この馬の場合「Sadler's Wells≒Nureyevの4×4・4」「Ameriflora≒デインヒルの4×4」「母方にあるMutakddimがモデルスポートの血を増幅」と、まあ色々とやってます。

イメージとしては、ジェネラーレウーノ(スクリーンヒーロー×ロックオブジブラルタル)を「Hyperion+Nasrullah」的ストライドに寄せた馬でしょうか、日本よりも欧州の馬場のほうが合いそうな?(^_^;)



リズムオブライトの2018(牡)
父:ディープインパクト


全兄にワラウカドで募集されているゼノヴァースがいる本馬、配合については以前のブログで軽く書いたので、そのスクリーンショットを載せておきます(^w^)

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全兄ゼノヴァースについて、育成場を見学された方のツイートを見たのですが、どうも母方のマイル資質が出ている感触があるようで、ならば、母リッスンの仔たちのような活躍はイメージしてもいいのかな、と(リッスンとリズムオブライトは、自身がマイラーで父がSadler's Wells系といった共通点あり)。

弟は全兄弟だからといって資質も同じとは限らないのですが、母がNorthern Dancerのクロスが濃い(3・5×4・7・6)馬ですから、それだけ母方が主張しやすい配合だと思うので、基本的に兄と似たような資質を持っているのではないでしょうか。